「FCV(燃料電池自動車)」は水素と酸素を燃料とし、二酸化炭素を排出しない地球にやさしい車として注目を集めています。今回はFCVの現状と課題について考えてみます。
燃料電池自動車とは
FCV(燃料電池自動車)とは、車に搭載した燃料電池からつくられる電気を使い、モーターを回して走行する自動車です。Fuel Cell Vehicle(燃料電池自動車)の頭文字をとってFCVと呼ばれています。燃料電池自動車は、水素と酸素の化学反応によって発生した電気で走るので、排出されるのは水だけです。大気汚染の原因となる有害物質や二酸化炭素を出さないため、地球温暖化対策に有効とされています。
燃料電池自動車のメリット
①二酸化炭素を排出しない
ガソリン車の場合、運転中には二酸化炭素や窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素、などが排出されます。一方、先述したように、水素を燃料としたFCVが走行時に排出するのは水のみです。ガソリン車のように温室効果ガスや有害物質などはまったく出ません。
②燃料補給の利便性
よく比較の対象になる電気自動車は、充電するのに急速充電でもおよそ30分が必要で、航続距離は300キロから400キロほどです。これに対して、燃料電池自動車は、水素の補給にかかる時間はガソリンスタンドと同じ3分ほどで、ガソリン車並みの600キロ以上の走行が可能です。
燃料電池自動車のデメリット
①水素ステーションの数が少ない
水素ステーションは、既存のガソリンスタンドとは異なる設備が必要な上、建設コストもガソリンスタンドのおよそ2倍が必要とされます。設置できる地域も限られるため、都市部を中心に全国163ヶ所の設置にとどまっています。(2023年1月の情報)
②車両価格の高さ
車両価格は同サイズのエンジン車よりも1.5倍ほど高額になります。現在販売されている燃料電池自動車の価格はおよそ700万円〜です。国などは購入する際におよそ200万円を助成していますが、それでも500万円以上の出費になります。
FCV(燃料電池自動車)の普及
FCVは国から補助金が受けられるほか、自治体によっては補助制度や融資制度などがある場合もあります。このことから、国はFCVの普及に力を入れていることが分かります。しかし、助成金が出ても高額な買い物には変わりありません。今後、車両価格をどれだけ下げられるか、また、水素ステーションをどれだけ増やせるかが普及の鍵となりそうです。
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