燃料電池車で未来を拓く!クリーンエネルギーの最先端と自動車のこれから

昨今、世界的に脱炭素社会の実現が進んでいます。これまで温室効果ガス排出の象徴として扱われることも多かった自動車も、そのあり方の変化は顕著です。今回は、クリーンエネルギーを利用した自動車の中でも「燃料自動車」にフォーカスし、来たる脱炭素社会に向けてカギになるのはどのようなことか考えていきます。

今後自動車に求められること

まずは、すでに広く浸透しつつある「SDGs」に関連して、自動車が今後どのような立ち位置を目指すべきか考えていきます。クリーンエネルギーの普及やガソリン車の置き換えなど、エネルギーや自動車を取り巻く状況が大きく変化する中、自動車業界は大きな転換期を迎えています。

気候変動は深刻化の一途をたどる

SDGs(持続可能な開発目標)の中に、「気候変動に具体的な対策を」という項目があります。たび重なる森林破壊や許容量を超えた温室効果ガスの排出は、地球の環境を大きく変化させ、気候変動を招いてしまいました。気候変動は災害の誘発や疫病の流行にもつながるため、様子見をしているだけではいけません。いまも深刻さを増す世界の気候変動に歯止めをかけられるような施策を、各国協力して打ち出す必要があります。

世界的にクリーンエネルギーの利用が進む

気候変動の勢いを鈍化させるために世界的に行われている取り組みの中でも、特に自動車のあり方に直接関連するのは、クリーンエネルギーの利活用でしょう。クリーンエネルギーとは地球環境にほとんど、もしくはまったく悪影響を及ぼさないエネルギーのことで、よく知られているものには太陽光発電や風力発電、バイオマス発電などがあります。自動車にかかわるクリーンエネルギーについては、この後ご紹介します。

自動車とクリーンエネルギー

今後、日々の暮らしに直結することが予測されるクリーンエネルギーですが、もちろん自動車業界にも多大な影響を及ぼすと考えられています。世界的に普及しつつあるEV(電気自動車)の動力源となる電力をクリーンエネルギーでまかなうことができれば、実質的に温室効果ガスの排出量をゼロにできるでしょう。また、このあと紹介する水素を利用した「燃料電池車」も、温室効果ガスを一切出さないクリーンエネルギーを利用しているといえるでしょう。自動車を含め、私たちの暮らしの中にクリーンエネルギーが浸透する日も遠くはありません。

温室効果ガスを排出しない「燃料電池車」とは

さて、ここからは近年注目が集まっている「燃料電池車(FCV)」に関する話題を深掘りしていきます。燃料電池を使って電力を生み出し、モーターを回して前に進む燃料電池車ですが、普及が進んでいないという現状もあります。その理由を含め、燃料電池車について知る機会にしてみてください。

水素を利用して走るクリーンな自動車

燃料電池車は先述の通り、ガソリン車の給油時間と同程度の時間で水素を充填することができます。そして、一度充填を行えば650km以上走行可能な車種もあり、EVと比較しても燃料面での使い勝手は良いといえるでしょう。モーターの駆動方式はEVと同様なので、静かで滑らかな走行を実現しています。

なぜ普及していないのか

環境に優しく、なおかつ使い勝手も良いとなれば大いに人気が出るように思えますが、まだ街で燃料電池車を見かける機会はほとんどありません。実際、2021年時点での燃料電池車の販売台数はわずか1,997台です。なぜこのように、燃料電池車の普及は遅れているのでしょうか。

最も大きいのは、水素の充填施設である「水素ステーション」の建設が進んでいないという理由です。水素ステーションの建設費用は約3.5億円と非常に高額で、なおかつ水素を扱う施設の上にはビルを建設できないなどの制約があります。そのため、採算をとるのが非常に難しいというのが現状です。また、水素自動車の製造コストは高いため、車体の販売価格も必然的に高水準になってしまうということも、導入のハードルを上げています。環境面でも、水素を生み出すための工程で二酸化炭素が生まれているというジレンマもあるため、現状ではまだ積極的な導入には至っていないようです。

ガソリン車からの切り替えが急速に進む

Hydrogen fuel car charging station white color visual concept design. 3d Illustration

ただ、世界的な脱ガソリン車の流れは着実に進んでおり、これまで主流だったガソリン車は温室効果ガスを排出しないEV車に続々と切り替わっています。そんな状況下で燃料電池車が普及する未来はあるのでしょうか。カギとなるのはやはり「価格と水素ステーションの整備」でした。

世界的にはEV化の風潮

自動車メーカー各社が次々にEV専用モデルを発表し、街でEVを見かけることも増えてきました。EVにとって必要不可欠な充電設備も、日本にはすでに2020年時点で3万台以上設置されています。政府の後押しもあるため、充電ができるスポットは今後も増えていくでしょう。また、世界的にもEVの普及が急速に進み、ノルウェーではPHV(プラグインハイブリッド車)も含めるとEV普及率は約88%にも上ります(2022年上半期)。気づけばガソリン車の方が珍しいという時代が来るのも、そう遠くはないかもしれません。

燃料電池車普及のカギは

さて、EV化が急速に進む自動車業界で燃料電池車を普及させるにあたって解決すべきなのは、主に「車両価格」と「水素ステーションの整備」の課題です。製造コストが高い故、必然的に車両価格はガソリン車やEVよりも高くなってしまいがちです。トヨタの燃料電池車「MIRAI」の新車価格は約700〜800万円ですが、購入対象のユーザーがこの価格によって絞られてしまっているという側面もあるでしょう。ただ、中古車市場を見れば200万円台の車が販売されていることもあるため、一概に車両価格だけがネックになっているとはいえません。そこでカギになるのが水素ステーション問題。2022年時点での日本国内における水素ステーションの数は159ヶ所となっており、全国に3万ヶ所近くあるガソリンスタンドやEV充電設備とは大きな差ができてしまっています。今後、水素ステーションの設置にかかるコストの大幅削減ができなければ、EVの普及スピードに追いつくことは難しいでしょう。

中古車の有効活用も重要

ここまで、燃料電池車やEVに関する話題を扱ってきましたが、日本では依然ガソリン車が主流であるというのが現状です。すぐに燃料電池車やEVへの切り替えを行うことを考えていない場合は、今あるガソリン車に長く乗りたいと考えるのが自然でしょう。環境配慮という観点で見れば、中古車から取り出したパーツをリサイクルという形で活用するのも一つの手です。動かなくなってしまった車両の中にも、まだ使えるパーツはあります。私たちエコアールは、乗らなくなった自動車からパーツを取り出し、中古部品として販売するリサイクル事業に取り組んでいます。こうした現実的な側面からのアプローチもまた、自動車業界においてできることのひとつだといえるでしょう。

そして自動車はよりクリーンに

まだ水素利用や燃料電池車の普及には課題が残るものの、自動車業界全体で温室効果ガスの削減を行うという姿勢は一致しています。今後、「自動車は環境に悪影響を及ぼす」というイメージを払拭できる日が来るでしょう。エコアールでは、このコラムの他にもSDGsや環境に関する問題と自動車の関係について、コラムを投稿しています。興味があればぜひご覧ください。

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